「そば屋のカツ丼は美味しい」。 そして藤木屋は伝えたい「スーツ屋の男着物は格好良い」


 
皆様の中に「そば屋のカツ丼は美味しい。」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。また実際にそう感じている方もいるもいる方がいるかもしれないです。ではなぜそば屋のカツ丼は美味しいか、それは「カツ丼に使うツユが、そばツユ由来の旨いダシを使うから」という意見があります。ダシの開発ではトンカツ屋は、そば屋にかなわないく、そば屋のカツ丼が、トンカツ屋のオリジナルの味を凌駕していることがあるということです。
 
◆スーツで研鑽を積む
なぜ、この話を藤木屋のブログで書いたか。それは藤木屋創業に関わっております。藤木屋の創業者・私店長の木寺幹は、元々スーツ屋です。テーラー(スーツの仕立て屋)、アパレルメーカーで勤務しておりました。特にアパレルメーカー勤務時代は、新宿伊勢丹メンズ館、日本橋三越本店、銀座三越などの紳士の売場を担当し、様々なご年齢とファッション感度のお客様のスーツを何千着と販売してまいりました。また仕事内外で海外を訪れ、スーツの発祥地・イギリスやファッションの中心フランス、そしてイタリア、アメリカなどのテーラー、百貨店、セレクトショップ、縫製工場、機屋、展示会、ファッションショーを見てきました。海外の凄いところや、逆に日本の良さというのを自分の眼で見て、感じてまいりました。製造業の技術以外でも、小売における接客上の技術というのにも、日本は誇りを持って良いです。具体的に言うと、既製服であってもスーツの袖の右左の袖の長さ違いをお客様の体型にあわせてミリ単位でこだわって、お直しの指示を出すのは、日本ならではです。
 
◆スーツの採寸技術を男着物に活かす
そのような環境で、既製服・オーダーメイドのどちらともスーツを販売してきた店長の木寺が、呉服業界を見た時に、自分が培ってきたスーツの採寸技術が応用でき、また男着物の魅力を着物をお召しになったことが無い方や興味の無い方にも伝えることができるのではないのかと思いました。また男着物というのは、呉服屋や百貨店の呉服売場では、基本的に男着物と書かれた棚が置いてあるなどのコーナー展開です。専属の店頭スタッフがいない場合もあります。言葉は悪いですが、男物は片手間で、残念ながら女着物がメインストリートなのです。メインストリートでないがゆえに、男着物の採寸技術というのは開発途上のところが多いように感じます。藤木屋は男物の専門店で、男物にこだわっています。男着物と女着物というのは、メンズ・レディースの洋服と同じく、全然違います。着付けの方法も全然違うので、着物を仕立てるにあたって気をつけなければいけないところも全然違います。また接客の技術的なことでもあるのですが、和裁用のメジャーというのは、5cmピッチでの寸法表記で、採寸ミスを起こしやすいです。なので「せっかく仕立てたのに、なぜか体に合わない」というお客様の声が着物では多いのかもしれないです。藤木屋では接客・検品の際に、和裁用のメジャーも使用しますが、メインではテーラーで使うメジャーを使い寸法にこだわります。
 
◆「スーツ屋の男着物は格好良い。」
冒頭で述べた「そば屋はそばツユ由来の旨いダシ」が、藤木屋の「日本のスーツという世界的に見ても高いレベルの製造・販売現場で培ってきた技術」です。そして、商品としての「カツ丼」が、手前どもにとっては「男着物」です。つまり「そば屋のカツ丼は美味しい。」のように「スーツ屋の男着物は格好良い」と言われるよう、藤木屋は日々の男着物を研究し、頑張っています。
 
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◆上野藤木屋【常設店舗】
男着物&メンズ浴衣&レディース浴衣&甚平&作務衣専門店 → 店舗詳細は【こちら】

 

 

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