男着物に関するブログ、当「藤木屋ブログ」をつい四日ほど前に開始したわけですが、この男着物の「着物」という言葉、結構やっかいです。辞書で「着物」とひくと、「1 からだに着るものの総称。衣服。2 洋服に対して和服。特に長着。」(大辞泉より)。一般的に、着物は辞書上の2の「和服」の意味で使われていると思うのですが、「和服」の意味を指すのは「着物」のほかに「呉服」という言葉があります。つまり、私がこれからブログで扱っていきたい着る物たる日本の伝統的衣装の意味を持つ言葉は日常用語に限っても、すぐ思いつくだけで三つ存在します。「着物・和服・呉服」。
基本的に、私はこのブログにおいて、これから「着物」という言葉を使って記事を書きすすめていこうと思っているのですが、ちょっと気になるのが「呉服」という言葉、なぜ「呉」なのでしょうか?「呉」とは、中国春秋時代の列国の一つのことで、「呉服」とすると、なんと「中国の服」の意味になってしまいます。これは「呉服」という言葉は、元々「反物(布のこと)」のこと指していたようで、その語源は、中国の呉の国から渡来した機織り職人「呉服(くれはり)」であり、その後意味が変化し、絹織物全体のことを表すようになりました。そして、それらの絹織物を扱う店が「呉服屋」になったようです。そういえば、呉服屋とは言いますが、和服屋とはあまり言いませんね。これは着物が、元々お仕立て(オーダー)する物であったため、生地屋としての「呉服屋」という言葉が定着したのでしょう。最近、「着物屋」という言葉を聞くような気がしますが、言葉の響きに何か新しい感じ(「ごはん屋」に似た感じ)がするのは、その辺りの事情に脳が自然と反応しているのかもしれません。でも、この「着物屋」という言い方、僕は結構好きです。
なお海外でこの「着物」の意味を指す言葉、中国語では「和服(ㄏㄜˊㄈㄨˊ/he2fu2)」と言い(実は、藤木屋店長は台湾に住んでいた経験があり、中国語がしゃべれます)、着物では通じません。また、英語では着物の「kimono」であり、gofukuでは通じません。なにか上手くかみ合っていないみたいで、面白いと感じるのは、私だけでしょうか^^; それでは。
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