キモノの産地へ訪れる機会をなんとか手に入れて、織元や染物屋にお邪魔するのですが、やはりその道の匠。遊びでは無いので、自分のキモノ姿をその方々に見せるのには自信が持てなくて、実は洋服の装いでお伺いしていました。しかし、某産地のある方に「キミは織ったり、染めたり、そういう作業をしている人間では無い。お客様に対してキモノを扱うのであれば、もっとキモノを着るべきなのでは」と言われました。覚悟が足りないということです。確かに、アパレルメーカーでスーツを扱っていた時代、旅行で海外に行く時でも、必ずスーツ一式は持って行き、小売店を訪れる時は、そのスーツを着ていました。例えば、スーツの聖地・イギリスのセビルローでは、当時の一張羅を着て歩きました。洋服屋としての自負があったのかもしれないですね。
今回7月末に新潟に行き、産地やキモノ業界の方々とお話しをしてきました。当然、着物を着てです。初めてお会いする職人の方もいるので、訪れる前は非常に緊張したのですが、やはり男ということもあって、産地の皆様に物凄く喜ばれました。これには正直ホッとしました。産地によっては、染物屋など必ずしもキモノではない方が良い場所もありますが、これからもこの姿勢は忘れないよう行動していこうと思います。(藤木屋K)